脂肪由来幹細胞注入療法とは
脂肪由来幹細胞をつかった注入療法とは、従来の脂肪注入法(自分自身の脂肪を胸やお顔に注入すること)をさらに応用した方法です。
脂肪注入法では、自分の脂肪を使って自然にバストアップやお顔にボリューム(額やこめかみなど)ができますが、その後の維持に課題がありました。その解決方法のひとつとして生まれたのが、再生医療である脂肪由来幹細胞をつかった注入療法です。ご自身の体から少量の脂肪を採取して、その脂肪から数週間かけて幹細胞を数千~1万倍にまで培養し、脂肪注入法で豊胸手術やお顔の脂肪注入を行う際に幹細胞を添加します。
期待できる効果
- 加齢による肌の衰えの改善
- 肌のくすみ
- 肌のハリ・潤いの改善
- 肌の若返り
- 薄毛の改善
脂肪由来幹細胞注入療法
ご自身から採取して培養した幹細胞を添加した脂肪を注入する、豊胸手術です。
脂肪の生着率が高い
従来の脂肪注入法では手術後の維持が課題でしたが、幹細胞を添加することで、幹細胞が血管を作る働きを助けてくれるため、注入した脂肪にも血管ができ、酸素や栄養が運ばれ、定着率が70%〜80%まで高まります。その結果、脂肪の減少や石灰化、しこりの発生などを防ぐことができ、自然な柔らかさのあるバストアップやお顔のボリュームアップ効果を長期間維持することが可能です。
高い安全性
リスクは0ではありませんが、自分自身の脂肪から採取した幹細胞を使用するため、異物反応や感染症のリスクが極めて低いです。
施術方法
脂肪注入式の豊胸手術やお顔の脂肪注入を行う際、幹細胞を添加します。幹細胞を混ぜる『非培養』方式と、幹細胞を増やす『培養』方式があります。
非培養
手術名:セリューション豊胸・CAL豊胸など
脂肪由来幹細胞を取り出すための脂肪と、注入のための脂肪の両方を採取します。脂肪から分離させた幹細胞を注入用の脂肪に混ぜ、それを胸に注入します。もともと体にあった幹細胞を胸に移動させるわけなので、幹細胞の数が増えるわけではありません。手術は1回で終了しますが、培養方式と比較して多くの脂肪を採取する必要があり、体への負担が大きいです。
培養
手術名:セルチャー豊胸、脂肪再生豊胸など
1回目の手術では少量(スプーン1杯程度)の脂肪を採取し、そこから幹細胞を抽出して6週間かけて培養します。2回目の手術では注入用の脂肪を採取し、培養して約1000倍~1万倍近くになった幹細胞を混ぜ、胸に注入します。手術は2回となりますが、培養用の脂肪抽出が少量で済むため、体への負担が小さいです。
ダウンタイム・アフターケア
施術時間 | 1回目/30分程度 2回目/3時間程度 |
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通院の目安 | 培養用の脂肪採取、培養後の幹細胞と脂肪の注入と2回の手術の後、3日後、1週間後、1ヵ月後、3ヵ月後など、抜糸や経過観察で通院が必要です。 |
麻酔 | 静脈麻酔 |
腫れ・痛み・内出血 | 痛み:1~2日程度 腫れ・内出血:1~4週間程度 傷跡の赤み:1~2か月でおさまってきて、さらに数カ月かけてほとんど目立たなくなります。 ※できるだけ目立たない箇所で処置します。 |
リスク・副作用 | だるさ・熱感・頭痛・蕁麻疹・痒み・むくみ・発熱・咳・冷や汗・胸痛・傷跡が赤くなる・色素沈着・胸が硬い・胸がふくらみ過ぎる・施術箇所の知覚の麻痺、鈍さ、しびれが起こる・しこりができるなど※個人差があります。 |
安全性 | 患者様自身の細胞を培養いたしますので、極めて安全です。 |
治療ができない方 | ・出血傾向のある方 ・妊娠中の方 ・妊娠している可能性がある方(妊娠を強く希望している女性) ・授乳中の方 ・同意説明文書の内容をご理解いただき、ご署名いただけない方 ・20歳未満の方 ・80歳以上の方 |
入浴・運動・飲酒 | シャワー:3日目から可能 入浴:1週間後から可能 軽い運動:1週間後から可能 激しい運動:1か月後から可能 サウナ・ヨガ・マッサージ:1か月後から可能 飲酒・喫煙:1週間は中止し、1か月はなるべく控えてください。 |
注意事項 | ご帰宅後は、いつも通りにお過ごしいただけますが、1週間は安静にしてください。ワイヤー入りのブラジャーなど、体を締め付けるものは3か月後から着用可能です。 |
よくあるご質問
痛みはありますか?
麻酔をするため、基本的には痛みはありません、麻酔が効きにくい方は、少し痛みが残る場合があります。
また、術後2日~1週間程度は痛みを感じる場合があります。
効果はどれくらい続きますか?
20年ほど効果が持続するといわれていますが、患者様の体の一部となっていることから、痩せたり太ったり、加齢によって張りがなくなったりといった影響は受けます。
副作用はありませんか?
ご自身の細胞を注入するので、そのことによる副作用の心配はありませんが、リスクは0ではありません。
乳がん検査などに影響はありませんか?
基本的には、影響がないといわれています。
ただし、検査の際、脂肪幹細胞と添加した脂肪注入を行っていることは必ず伝えてください。
1か月後からエコー検査、6か月後からマンモグラフィ検査が可能です。
傷跡は残りますか?
目立たない箇所を切開するようにいたします。
また、傷跡は時間とともにほとんど目立たなくなります。